2010年10月14日木曜日
僕は待ってる
壊れてしまったサックス
僕はヤクバライすべくある管楽器専門店を訪ねた
伝説の職人がいると云われている
新大久保だ
その店はコリアンタウンの片隅にひっそりと店を出していた
1940年の創業以来、数多くの名機を修理しているらしい
当時、歌舞伎町はキャバレーがひしめきあい、そこで働くバンドマンの数も半端なくいたのだ
もちろん生バンドだから、トランペッター、サックスプレイヤーなどごまんといたし、酔客にからまれたバンドマンもいただろう
それはそれは、毎日毎日、修理が必要だったろうさ
たいそうキャバレーも繁栄していたらしい
そんな管楽器奏者たちのパラダイス、そう、新大久保、人形町あたりには管楽器専門店が雨上がりのキノコのように乱立したという
しかし、キャバレーブームも去り、廃業を余儀なくされた専門店も多い
その中で、腕一本
酸いも甘いも腕一本
生き残ってるこの店
ゆえ、この管楽器店は伝説なのだ
生き残るって大変なことなんだよ
いまだ健在、日本一と呼ばれているのだ
まあ、興奮してもショウガナイ
さて、ため息をつくのはやめや~
壊わしたのは僕
治してもらおうぞ
僕はその管楽器店の引き戸をガラッと開けた
診断→二ヶ所の大きな凹み及び管の変形
20日間の入院
長いなあ、でも、僕は待ってる
店の大将に見せた時、正直、僕は恥ずかしかった
ひどいアリサマなんだもの
しかし、僕は見た
大将の苦笑いの中に隠された職人のそれ、鋭い眼光を
『オレに治せないものはない』と云わんばかりの眼光を
えーと、ついでと言ってはなんですけど、細かい打ち身やコルクの磨耗、その他も治してもらってええですか?
さっと眼光は違う色を発した
長居をすると怒らせてしまいそうだ
よろしくお願いしますと、さっと、僕も引き上げた
いままでメンテさぼってごめんな~すっかりリフレッシュしてね
我が愛器よ
しかし、可愛い子にゃ金がかかる
子供手当てみたいなもんは無いんかいな~
出費だ出費だ~大出血だ
リュウスケ
診断→心の凹み及び金欠病
良い1日を
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